渡辺 真里子さん
大阪豊中市生まれ、神戸在住。大阪のアパレルメーカー、大手通販、東京のマーケティング会社に勤務。東京時代、体調を崩し漢方・薬膳の勉強を始める。2010年より講師活動。薬日本堂漢方スクール・大阪校、よみうり堺文化センターなどで講座を担当。2015年より本草薬膳学院・大阪教室講師。自らも「つばめ薬膳アカデミー」を主宰し、薬膳・中医学を伝える担い手となるプロの養成やプロ活動のサポートを行う。
① 薬膳を始めたきかっけは?
漢方に興味を持ったのは、病院ではわからなかった不調の仕組みが漢方薬局に行くと見事明快に説明してもらえた、という体験がスタートでした。なので、もともとは五臓六腑などの基礎理論や漢方薬について学びたい気持ちが強かったのです。ところが興味が強すぎて当時学んでいたスクールのコースをほぼ行き尽くしてしまい、最後に残っていたのが薬膳のコース(笑)。そこに通い始めたのが薬膳に足を踏み入れるターニングポイントになりました。そこまで勉強のモチベーションが続いていたのは「この考え・理論をなんとか自分なりに使いこなせるようになりたい」という思いだったので、日常生活に取り入れやすい薬膳に最終的にたどり着けたのはよかったのではないかと今では思っています。
② 薬膳・中医学のプロ活動を支援するとのことですが、どのようなことに力を注いで
いますか?
せっかく資格を取っても「薬膳を伝える」ことに自信を持てないのは、知識が「点」の状態で応用力がないことが大きな原因だと考えています。そこで「つばめ」の講座ではパズルを組み立てるように、「点」の知識がつながって「線」となり広がりと深さができるようお伝えすることを心がけています。また、弁証施膳のワークでは、立膳のスキルと説明力を高めることにも注力しています。あわせて、飲食店のメニュー監修や教室を始める人へのアドバイスなど相談業務にも力を入れています。
③ 講師のお仕事で、やりがいに感じることは何ですか?
やりがいを感じるのは、もちろん受講生さんの成長が見えた時。ワークでのレシピや発表のレベルがグンと上がったと感じた時はとてもうれしいです。ご自宅で教室をしておられる受講生さんは、ご自身の生徒さんから「先生の説明が最近ぐっとわかりやすくなった」と言われたそうで、そんな報告を聞くのもやりがいを感じる時です。
④ 食薬同源、おすすめの身近な食薬を教えてください。
一昨年に実家に戻ったこともあり、最近子供の頃のことをよく思い出します。実家には小さいですが家庭菜園があり、夏はよくトマトを育てていました。採りたてのトマトの青臭さは今でもなつかしく思います。と同時に、その頃は薬膳のやの字も知りませんでしたが、夏に丸かじりするトマトがやたらとおいしかったのは、理にかなっていたからなのだなあ、と今になって感心する次第です。
⑤ 今後はどんな未来図をお持ちですか?
「つばめ」を「学ぶ場」だけでなく、薬膳を学んだ人、仕事にする人が「交流し、活躍を広げる場」にしたいと考えています。今は手始めとして、受講生さん同士でコラボするセミナーをやってはどうかとけしかけているところです。ゆくゆくは「つばめ」の名のとおり、ここで学んだ人が巣立って活躍の場を広げ、必要なときには戻ってきて羽を休める、そんな場にしていきたいと思っています。 |